れい
因幡の白兎の話を知っていますか?
今回から、2回に分けて、「因幡の白兎」の話を載せます。
この「因幡の白兎」というお話は、日本で一番古い歴史書といわれている「古事記」に載っているお話です。
「大国主命」という神様は、「大黒様」と呼ばれることもありますが、ここでは、「大国主命」を使って書きます。
むかしむかし、出雲の国に大国主命という神様がいらっしゃいました。その神様には、とてもたくさんの兄弟がありました。大国主命は、その中でも一番心のやさしい神様でした。
大国主命と、大国主命の兄弟の神様たちは、因幡に八上比売という美しいお姫さまがいるという噂を聞きました。そこで、みんなで会いに行くことになりました。
心のやさしい大国主命は、兄弟の神様たちの家来のように大きな袋を背負わされ、一番後ろからついていくことになりました。
兄弟の神様たちが因幡の国の気多岬というところを通りかかったとき、体の皮を全てむしられて泣いている一匹の兎を見つけました。
兄弟の神様たちは、その兎に意地悪をしました。
「傷を治すには、海水を浴びてから、風にあたってよく乾かし、丘の上でねているといいよ。」
その兎はだまされていることも知らずに、言われるまま海に飛び込み、風あたりのよい丘の上で風に吹かれていました。
そうしていると海水が乾いて傷がもっとひどくなり、ひりひりと痛みだしました。
前よりも苦しくなって泣いている兎のところに、後からついてきた大国主命が通りかかりました。
大国主命はその兎を見て、兎にどうして泣いているのか、わけを聞きました。
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