その後、芝右衛門狸はどうなったんでしょうか。
ある日、芝右衛門狸は、思いたって、大坂の芝居を見に行くことにしました。
その頃、今の大阪は、大坂と書かれていました。
芝右衛門狸は、芝居を見るのが大すきでした。
芝右衛門狸は、お侍さんの姿に化けました。そして、船に乗って大坂にむかいました。
大坂にある芝居小屋は、とてもにぎわっていました。
役者の芝居もとてもすばらしく、芝右衛門狸は時をわすれ、毎日芝居を見ました。
でも、お金をもっていない芝右衛門狸のお金は、いつも木の葉を化かしたものでした。
芝居小屋の主人は、いつもお金の中に木の葉がまざっているのでおかしいなあと思っていました。そこで、お金を受け取る窓口の下に、こっそり犬をひそませておくことにしました。
次の日、何も知らない芝右衛門狸は、心はずませて、芝居小屋にやってきました。
芝右衛門狸がお金を払おうとしたとき、下から犬がすごいいきおいでほえました。
驚いた芝右衛門狸は、ぽろりと丸々としたしっぽを出してしまいました。
それを見た芝居小屋の人たちは、
「おまえが、おれたちをだました化けだぬきか。」
と言うと、もっていたぼうで、芝右衛門狸をさんざんにたたきました。
もしここが、芝右衛門狸をかわいがってくれる洲本の町なら笑って許してくれたかもしれません。でも、ここは、淡路島の三熊山から遠くはなれた大坂の町です。
かわいそうなことに、芝右衛門狸はそのまま死んでしまいました。
洲本の人たちは、しばらくして、芝右衛門狸が死んだことを知りました。
悲しんだ洲本の人たちは、芝右衛門狸のためにほこらをつくって、ねんごろにとむらったということです。
⭐️ ⭐️
関係する言葉についてもお読みください。
芝右衛門狸①にもどる(このブログにあるページ)
求女塚①にすすむ(このブログにあるページ)
求女塚②にすすむ(このブログにあるページ)
ペインターNIRO Painter NIROにすすむ(このブログにあるページ)
民話と昔話にすすむ(このブログにあるページ)
求女塚の今と昔にすすむ(このブログにあるページ)
コメント