むかし、芝右衛門狸というたぬきが住んでおりましたと。
ペインターのNIROさんは、兵庫県に伝わる民話や伝説などをもとに絵を描き、個展を開いていました。NIROさんの描いた絵の元になったお話をお伝えします。
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むかし、むかし、淡路島の三熊山という山に芝右衛門狸というたぬきが住んでおりましたと。
雲のない月のきれいな夜などには、芝右衛門狸は、お腹をポンポコポンポコとたたいて、腹つづみの音をひびかせて、三熊山のふもとに住む洲本の人々を楽しませていました。
芝右衛門狸には、とても仲のいいたぬきがいました。名前を屋島の太三郎狸といいました。
芝右衛門狸と太三郎狸は、よく化けくらべをして遊んでいました。
ある日、いつものように化けくらべをすることになりました。
芝右衛門狸は、太三郎狸に大名行列を見せるからと、日にちを伝えて呼びだしました。
太三郎狸が木の上で見ていました。
すると、「下ぁにい、下ぁにい。」というかけ声とともにとても立派な大名行列がやってきます。
あまりの立派な大名行列におどろいた太三郎狸は、木の上から
「ほんまに、立派なもんやなぁ。」
と大きな声で、ほめ言葉を伝えました。
すると、大名行列の先頭にいた侍が刀をぬいて、太三郎狸に切りつけました。
太三郎狸は、命からがらなんとか逃げだすことができました。
芝右衛門狸が、本当の大名行列が通るときに、太三郎狸をだまして呼びだしていたのでした。
(つづく)
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