芝右衛門狸(しばえもんだぬき)① 兵庫の民話(ひょうごのみんわ)

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むかし、芝右衛門しばえもんだぬきというたぬきがんでおりましたと。

 ペインターのNIROニロさんは、ひょうけんつたわるみん伝説でんせつなどをもとにえがき、てんひらいていました。NIROニロさんのえがいたもとになったおはなしをおつたえします。

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 むかし、むかし、あわしま熊山くまやまというやま芝右衛門しばえもんだぬきというたぬきがんでおりましたと。

あわじしまの みくまやま

 くものないつきのきれいなよるなどには、芝右衛門しばえもんだぬきは、おなかをポンポコポンポコとたたいて、はらつづみのおとをひびかせて、熊山くまやまのふもとにもと人々ひとびとたのしませていました。

 芝右衛門しばえもんだぬきには、とてもなかのいいたぬきがいました。まえしま三郎さぶろうだぬきといいました。

たざぶろうだぬきの いしの ぞう

 芝右衛門しばえもんだぬき三郎さぶろうだぬきは、よくけくらべをして遊んでいました。

 ある日、いつものようにけくらべをすることになりました。

 芝右衛門しばえもんだぬきは、三郎さぶろうだぬきだいみょう行列ぎょうれつせるからと、にちをつたえてびだしました。

 三郎さぶろうだぬきうえていました。

 すると、「したぁにい、したぁにい。」というかけごえとともにとても立派りっぱだいみょう行列ぎょうれつがやってきます。

 あまりの立派りっぱだいみょう行列ぎょうれつにおどろいた三郎さぶろうだぬきは、うえから

「ほんまに、立派りっぱなもんやなぁ。」

おおきなこえで、ほめ言葉ことばつたえました。

 すると、だいみょう行列ぎょうれつ先頭せんとうにいたさむらいかたなをぬいて、三郎さぶろうだぬきりつけました。

 三郎さぶろうだぬきは、いのちからがらなんとかげだすことができました。

 芝右衛門しばえもんだぬきが、本当ほんとうだいみょう行列ぎょうれつとおるときに、三郎さぶろうだぬきをだましてびだしていたのでした。

ニロさんの えがいた しばえもんだぬき

(つづく)

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